漁港の肉子ちゃん画像

漁港の肉子ちゃん

文句なし。心があったまる優しい映画。ぜひ先入観無しで観てほしい

最近のアニメ映画は声優を使わないから観てられないという人がいる

その意見には概ね賛成だけれども、ここ最近は傾向が違う

この『漁港の肉子ちゃん』は大竹しのぶとCocomiが主演を務める

はい、ここで嫌な予感がした方、お気持ちすごくわかります

今までいろいろとハズレ映画を観てきて香ばしい匂いがするのもわかります(タイトルも『漁港の肉子』ですし)

でもこの映画は違う

大竹しのぶがダイナマイトボディの肉子を演じていますが、実に良くハマっている(悪い男に騙される役を演じているのも面白い)

Cocomiのキクりんも及第点です(独り言という設定ですので多少の演技下手をカバーしているのもうまい演出)

キクりんと肉子ちゃんが似ていない理由が明かされるあたりで涙がちょちょぎれます

具体的には後半40分弱

このシークエンスがすごくいい

大竹しのぶのそれまでの不細工演技からいい女演技への切り替わりも上手い

キクりんが母親と暮らしたいと思うのかどうかで鑑賞者の涙を自然と誘う流れがうまい

冒頭の脂身を切り落として赤身で肉子のそれまでの暮らしぶりを語る演出は実に素晴らしい(赤身が日本列島になっている。包丁で切る部分が肉子ちゃんが暮らした街ということ)

ちょいちょいトトロオマージュが面白い

例えば肉子ちゃんが寝ているシーンはまんまトトロだし(ご丁寧にお腹をボリボリかいている)

バス停で雨の中待っているシーンもまんまトトロです

『となりのトトロ』も母親を想う娘の映画でしたが、この『漁港の肉子ちゃん』も母親を想う娘のお話

あまり語ることはありません

とにかくいい映画なので(1時間36分とちょうどいい長さ)サクッと観てジーンと感動してほしい

肉子ちゃんは(自分でも言ってるけど)デブで頭が悪くて貧乏で悪い男に騙されてばかり

でもそんな肉子ちゃんは明るく前向きでとっても優しい

これ、全部母親の要素となっている

子どもにとって、たとえ母親がデブで頭が悪くて貧乏であっても、明るくて前向きで優しければ救われるというメッセージになっています

増税や値上げで苦しいご家庭が増えている日本という国において、2021年にこういう映画が作られた意義は大きいと思います

肉子ちゃんは明るくて優しくて人を疑うことを知らず真面目で一生懸命なのでついつい周囲の人間が手助けしたくなります

これが愛嬌となっていて、とても魅力的なキャラクターになっている(同時に悪い男に騙されるのはこういう女性だろうなあという説得力)

肉子ちゃん自身は子どもがいないのに、キクりんを心から大切にしている

そのキクりんにお金持ちと結婚した母親の元で暮らすように言うシーンは、今年観た中でも一番の泣けるシーン

自分の幸せよりも子ども(他人)の幸せを願うまっすぐな(聖母みたいな)肉子ちゃんにきっと心を打たれるはず

親から子どもへの愛というのは見返りを求めない無償の愛なわけで、肉子ちゃんのキクりんへの愛はまさに無償の愛(=親の愛)なんですね

悲しいかな、少子化が進む日本においてこの映画は興行収入がふるわなかったようです(たったの2億9326万円)

ちなみに『となりのトトロ』は興行収入11億7000万円

『漁港の肉子ちゃん』と同じ2021年公開の『竜とそばかすの姫』は興行収入66億円でした

これが今の日本の惨状を表していると思います

子どもが登場する、親子愛で泣かせる映画は今の日本ではウケないのです

少子化になっているのは国のせいです

誤解を恐れずにあえて言いますが、子どもが欲しいのに叶わないとか結婚したいのにできないのもすべて国のせいです

国が個人の自由という建前で結婚も出産や育児も自己責任にしてしまったために、結婚や出産育児をできないのが自分個人のせいだと思っている(思い込まされている)人が多い気がします(日本政府が大好きな自己責任論)

でももう一度書きますが、結婚や出産育児ができないのは国のせいです

その証拠に第二次世界大戦が勃発した1939年は産めよ増やせよ政策を実施しました

昔は家と家との結婚でしたので(それが当たり前だったので)ほぼ全員が結婚できていました(1990年まで生涯未婚率は5%以下。いまは男性28.2%女性17.8%)

結婚したくない人にとっては苦痛かもしれませんが、AI婚活ですとか結婚相談所で仲人にお世話してほしいと思っている結婚希望者にとっては今よりも昔のお節介な時代のほうが羨ましいのではないでしょうか

草食男子にとっては女の子を紹介してくれるのですから夢のような環境

家と家との結婚が当たり前で、誰もそれをおかしいと疑わなかった時代の日本は爆発的に人口が増え1875年に3345万人だった人口が1967年には1億人を突破します

ですが戦後GHQに占領され日本人の脅威をなくすために人口減作戦を実行されます

それが1947年施行の日本国憲法24条です「婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立」という部分

このため、「結婚しない自由」が当然となり家制度が崩壊して個人主義に日本は移行していきます

その後の人口減少はご存知のとおりです

誤解のないように記しておきますが、お互いに合意して結婚することを否定しているわけではありません

誰も反論できないような大義名分(個人の自由。婚姻の自由)を掲げて、一見すると自由そうに見せかけておいて、実際には個人の幸福を奪っているのではないかと思うのです

今の日本人が結婚したくないのかというと、そうではありません

結婚したいのにできない「不本意未婚」が4割もいます(出生動向基本調査に基づく「結婚したい人口」を母数として5年間の男女初婚数で計算)

日本人は結婚したいのにできないんです(結婚できないから少子化も進む)

今の日本人を見ていると、欧米のような価値観(強すぎる個人主義)は合わないような気がします

だれかに結婚相手を紹介してほしい人が多いように思うんです(シャイで世間体を気にする日本人に向いている方法)

急速な欧米化によって、適応できない人が一定数いるのも無理ないわけで、少子化が進むのも当然です

欧米化を批判しているわけではなく、日本人にはその気質や文化に合わせたやり方が必要だったように思うんです

戦後のGHQの強引なやり方の弊害が今の結婚できない問題、少子化問題に繋がっている気がします

もはやコンプライアンスがうるさい時代になりましたので、産めよ増やせよ政策なんて政府ができるはずもなく、できることは建前上の少子化対策(成果が出ていないのは少子化が進んでいることで証明済み)

このまま行くと日本は近い将来、国を維持できなくなるでしょう

具体的には中国からの移民を受け入れて事実上中国の一部となるか、あるいはアメリカの言いなりで防衛費を増やし続ける羽目になり、貧しい日本人ばかりになってアメリカと中国の板挟みとなるでしょう

納税するばかりで未来に希望が持てず、結婚や出産育児のことは考える余裕もなくなり、ただ今日一日を生き抜くことで精一杯になる気がします

そしてそんな日本に遊びにくる外国人が増えるでしょうね(言ってみればこれは植民地と変わりません)

個人の自由という建前によって多様性という価値観を持ち上げすぎたせいで、かえって個人の幸福から遠ざかっているように思います

幸せになるのが目的であって、権利を主張するのはあくまでも手段のはずです

現在の日本は手段と目的があべこべで、逆になっています(個人の幸福を犠牲にしてまでも多様性という手段を主張している)

日本はアメリカの盾として最前線に立ち続け、日本人が減った分、中国人を受け入れて外国諸国の安い観光地として生き残っていくのでしょう

上司はいずれも外国人ばかりになり、増え続ける防衛費のため消費税が上がり続け、庶民はその日暮らしで精一杯

そんな未来が待っているような危険を感じます

この『漁港の肉子ちゃん』の興行収入が低いということはそういうことなんだと危惧します

世界各国で映画賞を受賞しているくらいイイ映画なのに、興行収入がふるわない(ウケない)ということはそういうことです

この映画を観て感動する人が少しでも増えることが、巡り巡って日本が豊かになり、ひいては鑑賞者が幸せになることにつながるとぼくは信じます

『となりのトトロ』みたいに子孫に観せたい映画としてこの『漁港の肉子ちゃん』をぜひオススメします

素晴らしい映画ですので多くは語りません、『漁港の肉子ちゃん』を観て感動してください

きっと、明日から生きる希望がわいてきます

そして、希望の溢れる日本にしましょう